« 研修2 都市と農村漁村の交流を受講して その3 | トップページ | 産地見学会のお知らせ@蒲生郡日野町別所 »

2007年8月16日 (木)

日本の農業は死んだのか?

私、どらここはずっと韓国に関わった仕事をして来ました。
通訳は日韓の様々な関わりを垣間見る事ができるので、難しいけれど楽しい仕事です。最近はこうして「こだわり滋賀ネットワーク」に参加させていただいて、農業という視点では日本と韓国はどうなのかな?という事にも関心が出てきました。

Pic_070816_1 タイトル:韓国の未来と孫鶴圭(ソン ハッキュ)
  ~民衆と出会うロード・ワークの記録


著者:姜 勲植 (編さん), 李 根燮 (編さん), 金 総領 (翻訳)

出版社:新幹社(2007年5月出版)
定価:2000円+税

京畿道(キョンギド)前知事の孫鶴圭(ソン ハッキュ)氏は2006年6月、知事としての任期を終え、直後からリュックを背負って地方の住民と仕事を共にしながら対話をする「民心大遠征」の旅に出ます。
100余日にわたる旅をこの本で追うことができます。

一日目の彼はホワイトカラーの顔をしています。髭はさっぱりと剃られ、色白で爽やか。
その後の旅で、炭坑夫、農家、酪農家、清掃作業員、介護福祉士、溶接工、製パン工、などなど、93職種を105回体験。次第に陽に焼け、髭は伸び、髪は汗がしたたります。
炭坑で働く顔はまるっきりシャネルズです。(古い。。。)。
塗り込めたように炭で顔は真っ黒。きっと肺の中も真っ黒になっているだろう、過酷な仕事です。

最初に訪れたのは韓国の南西、全羅南道の長城のミニトマト農家。

「ミニトマトを摘む。蔕の葉っぱがついていなければまっとうな価格にならないのに、下手にいじると葉っぱが落ちてミニトマトだけが残る。見かけほど簡単な仕事ではない。
(本書より抜粋)

行く先々で孫鶴圭氏は実感します。

「農村が疲労困憊している」
「なんとしても農村を生かさなければならない。農業生産が経済に占める比重が小さくとも、今後もっと小さくなろうとも、農業を生かさなければならない。農業は我々の生活の根本だ。農業が駄目になることは、われわれの生活の条件が破壊されることだ。
(本書より抜粋)
共に汗を流し、孫鶴圭と語り合う人たちには日々の苦しみを語りながら涙を流す人が少なくありません。

目を引いたのが日本に輸出しているパプリカ農家の言葉。

「日本の農業は滅びたが、韓国農業はまだ滅びていません(本書より抜粋)

「...日本は農業をあまりにも簡単に放棄したおかげで、今その対価をはらっているではありませんか?
(本書より抜粋)

もし、私がその場に居合わせたとしても、返す言葉がみつからない。
私は自分の国のことがよくわかっていないから。

日本の農業は滅びちゃったんですか?
もう、過去形なんですか?
その支払っている対価ってなんなんですか?


体を傷や病気が蝕んでいても自覚症状がないような、日本と農業はそんな状態なのでしょうか。
折しも、つい最近、日本の食糧自給率が40%から39%に減少したとの報道がありました。増える1%と下がる1%の重みは全く違う。
私でもわかるように表現すると、朝ご飯、昼ご飯、おやつ、夜ご飯のうち、1食だけが国産でまかなわれ、後は全部輸入食料、、というわけですか?

この本を読むと、こんな素晴らしい政治家がいるんだなぁ、という思いがします。
日本の政治家でこのように庶民の生活を自分の手で、足で、感じる人が果たしているでしょうか。いて欲しいと切に願いますが、実感としては「いないんじゃないの?」と感じるニュースばかりです。

孫鶴圭氏がこの旅で出会った沢山の市井の人びとの写真が載っています。
その笑顔、泣き顔を見ていると、国の利害なんか超えて、みんな幸せになったらいいなと思えるのです。
この本で私も孫鶴圭という政治家を知りましたが、経歴がとても面白いです。ぜひ本を手にとって読んでいただきたい。

そして、彼が今、韓国でどんな立場にいるのか訳者の後書きから抜粋しますと、

「今年3月19日、一貫して所属していたハンナラ党を離脱し、新党を立ち上げて、新党候補として大統領選に臨むことを表明した。(本書より抜粋)
大統領選に出馬表明する孫鶴圭氏

韓国の大統領選まであと、4ヶ月です。

|

« 研修2 都市と農村漁村の交流を受講して その3 | トップページ | 産地見学会のお知らせ@蒲生郡日野町別所 »

こだわり滋賀ネットワーク日記」カテゴリの記事

海外」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 研修2 都市と農村漁村の交流を受講して その3 | トップページ | 産地見学会のお知らせ@蒲生郡日野町別所 »