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2008年1月 5日 (土)

関西で蕎麦をひろめる

関西の麺と言えばおうどん。

かつて、私どらここは仕事を友人に斡旋してもらい
「ようし、お江戸で一旗揚げるか」と心に決めて
お江戸のとある駅のうどん屋ののれんをくぐったのでした。
「へい、いらっしゃい!!」
よ!江戸っ子!威勢がイイネ!
ようよう顔を見ると店のアンちゃんは多分カンボジアとかそこらのお人。
ああ、お江戸ってこんな所までコスモポリタンなのね、と、うどんイッチョ注文。
その席で、私は悟りました。
「絶対、東京では暮らせない」と。

うどんの出汁の色でした。
真っ黒な出汁の色に耐えられなかったのでした。
ええーー!!ありえへん、ありえへん、ありえへん、!!!
好き嫌いを超えて、あまりにも身近な食べ物なので、見慣れない色にビビってしまいました。
とか動揺しながらも残さず平らげ、美味しかったのですが。
もし、あの時うどんでなく、蕎麦を注文していたら、今頃滋賀にはいなかったかもしれません。
運命のうどん。
そんな所から自分が大阪で生まれた女やさかい、身にしみて知った日でした。

「うどん」か「そば」か、と聞かれたら、多分、おうどん。
関西はうどん、関東は蕎麦、やっぱりそうなのかな。
関東に住み損ねた私にはわかりませんが。

Cimg3102
昨年の大晦日、つまり今から6日前、
栗東のナカイさんの工房で初めて蕎麦打ちなるものをさせていただきました。

ナカイさんご夫婦がここで大晦日に蕎麦打ちをするのはもう10年になるそうです。
もちろん蕎麦はナカイさんとこで穫れたもの。

パンも作るし、羊羹も作る、いつも勉強熱心なナカイさんは蕎麦を習いに通ったそうです。
「そうよ、男の人たちばっかしよ。その中で私一人だけ、女」
定年退職後のお父さんたちを熱くする摩訶不思議なり、蕎麦打ち。
何が男たちに火をつけるのでしょうか。

蕎麦生地をこねる。
黒光りする塗りのこね鉢。内側の深紅の妖しい艶色の中にそば粉をふかふかと投入。
そこへカップの水を数回に分けて入れながらそば粉をこねる。
最初はパラパラと、最後に頂点におへそのある円錐型にまとめたら
おへそをしたに向けてむぎゅっと平たく潰しそば生地の完成。

Cimg3104蕎麦を打つ。
延べ棒で延ばすのではなく、
手である程度延ばした後は延べ棒に巻いてクルッと転がすと蕎麦生地と麺台が「スパンッ」と音を立てる。
力を入れずとも生地は延びる。
ナカイさんは簡単にやってのけるけど、中々上手くいかない。
綿棒がちょっと斜めや、ベタベタ〜と遠くまで行き過ぎて行ったりする、そんな所に自分の性根が現れるもの?
それを縦横に繰り返しすときれいに正方形に。
次にそば粉をふりながら折り畳み、コマ板で抑える。そば切り包丁でコマ板をトントンとずらしながら蕎麦を切る。
素人目にはここが一番難しいように思えます。
トントン、で、リズムよく均等にコマ板がずれずに不揃いの蕎麦になってしまう。
「これでやってみたら」と使わせていただいた一段と重い麺切り包丁。
持ち手に鮫皮が巻いてある、いかにも「高そう。。。」
聞くと、京都、錦市場の料理用品店でン万円するそう。
Cimg3112_2ネットで見ると麺切り包丁、2千円台〜10万円弱までものすごくピンキリ。
けれど、道具、大切ですね。
高い方の重い麺切り包丁だとだいぶ上手く切れました。(それでもかなり不揃いですが)

お昼頃に伺ったのですが、朝から既に沢山の方が40食ほど打ったそう。
朝一の人は7時半から来てたそうで。
どんだけ早起きやねん。
いや、どんだけ蕎麦好きやねん。

パックに詰めてお持ち帰りの蕎麦の他に、ちょっと休憩でナカイさんが打った蕎麦を湯がいて下さいました。
茹で方にコツあり!

大きな鍋にたっぷり湯を沸かす。
熱湯に蕎麦をパラパラとほぐしていれる。
蕎麦が一旦沈んだ後、踊りながら浮かんで来てから、カッキリ40秒で蕎麦を上げる。
まずは流水の中で麺を洗い、次に氷水で締める。
ナカイさんが茹でて、ご主人が洗って締める。
チームワーク抜群のご夫婦です。

今夜の年越し蕎麦用にと、そばつゆも作って下さいました。
4種類の鰹節が使い、日数をかけて熟成させているそうです。
去年までの「天ぷらどん兵衛」からものすごい格の上がった私の今年の年越し蕎麦。
来年はいい年になりそう。
ただ、ナカイさんのダンナさんのように素晴らしいチームワークを提供してくれるヒトがいない私はモタモタときっかり40秒は守れませんでした。
しかも、太いのや細いのがあって、ツルツルっとしたのどごしなど望むべくもありませんでした。
ナカイさんところで食べさせてもらったのは普通にちゃんと麺だったのに。。。。
平和に作りながらも、この出来上がりの差が、オヤジの闘争心に火をつけるのかもしれません。

「関西って言ったらうどんやけど、蕎麦も広めたいのよ」とナカイさん。
打ちたての蕎麦はとてもいい香りがしました。
加えて、ナカイさんが出して下さり、お持ち帰りもさせて下さったのが辛味大根。
「知り合いの農家に作ってもらってるんや」ナカイさんのご主人は愉快そう。
小さな大根ですが、もんすごい辛い。わさび要らず。いや、わさびより私好み。
ピリリとした辛味が蕎麦と出汁の香りを気持ち良く締めてくれて美味しいったらありゃしない。
その農家のおじいちゃんもお孫さんが見守る中蕎麦を打っていらっしゃいました。

もちろん、そば湯もいただきました。
うどんにはない、蕎麦ならではのデザートですね。
いらっしゃったお客さんとも沢山お話ししながら日暮れまでナカイさんとこで過ごしました。
私たちが帰った後も夕方以降もお客さんはいらっしゃったそう。
ここに来るのに道に迷い、通りかかった地元の人に道を聞いても上手い説明が聞けず。
ふと「蕎麦打ちしに来たんですけど」と言うと、
「あ、蕎麦打ちの所ね」と、地元の人はそれで合点がいって、道を教えてくれたそう。
それほど隠れた恒例の行事なのでした。

「来年はこんな事もあんな事もやりたいねん」
遊び上手なナカイさんご夫妻は来年も沢山の楽しい事を企んでいらっしゃるよう。

働き者じゃなきゃ、カッコ良く遊べない、という事を思い知った年の瀬でした。

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