援農隊@栗東 走井
2008年8月2日(土)こだわり滋賀ネットワークの今年度の事業の一つ、「援農隊」。
こんな猛暑の中でお役にたてる自信はございませんが、栗東は私、地元ですので参加してみました。
草津駅から車で約30分。栗東のトレセン(競馬馬のトレーニングセンターです)の前を信楽方面に上って、少し山に入ったところの集落、「走井(はしり)」にお邪魔しました。
ここは、去年の全国海づくり大会で実施した「こだわり農業プチツアー」でも訪れたそうです。
今回は田んぼの畦の草刈りをお手伝いした後、ここ、地元のブランド「こんぜ清流米」についてお聞きしました。お世話になる宮城定右衛門さんのお宅へ。
「定右衛門さん」
歌舞伎俳優ぐらいしか聞いたことがないクラシックなお名前からして昔ながらの由緒ある大農家さんってかんじ。
果たして、やっぱりその通りなんですが、参加者のHさんは
「うちみたいな水のみ百姓とはちがうよな~」
あはは、何時代のはなしですか
宮城さんちの立派な門には、郵便ポストがついている。
郵便受けじゃないよ。
なんちゃってポストじゃないよ。
ちゃんと集荷時間が書いてある。
でも、郵便受けは見当たらなかった。
お座敷は大きな庭に向けて大きく開けていて、とても開放的。
お庭にはかんぴょうが干してありました。
縁側で農作業ルックに着替えて宮城さんはじめ、「こんぜ清流米」関係者の方々のごあいさつをいただき、、援農隊、出発。
山を軽く登ってすぐに田圃があります。
周りを山に囲まれ、今風なものが一つも見えない里山の風景。それがマンション林立の草津駅から車で30分。
この集落はただの昔ながらの農村で、知り合いの居ない人が立ち寄る所でもないようです。
もったいない。
この景色を地域活性化にもっと有効に活用したらいいのに、、、。
何もなくて、とっても豊か。本当に素敵な里山の風景。
滋賀でも有名な美しい里山がいくつももあります。
そういう所は県内でも私の住まいよりもっと遠い所だと思ってました。
栗東に10年住んで、今まで「素敵」と思った風景に多くは出会わなかったのですが、さすが滋賀。
さりげなく、こんな風景を隠し持っていたとは、なんと奥が深い。
この日は少し曇ってギラギラした直射日光がないおかげで草刈りも快適。
みんなで刈ると広い田んぼの畦もあっという間。
萩のピンクの花が揺れて少し秋の気配。そして稲の花も咲き始めていました。
このまま獣害もなく実ればいいのですが。。。
その後、宮城さんの桃畑へ。
言葉はいらない、、見よ!この大玉!
ひとりでこの大玉にかぶりついてよし!
宮城さんは元々山の仕事で収入を得ていらっしゃったそうです。
けれど、昭和40年代ころから林業では収入にならなくなり、農業で、特に果樹などに力を入れてきたそうです。今のたわわのモモやイチジクを見れば、本当に先見の明のある方なんだなぁ、と思います。 お昼御飯は、地元の「こんぜ清流米」の白ご飯と赤飯。
それから、かぼちゃの炊いたのと、新鮮なトマト。
お漬物そして、ウグイのなれ寿し。
滋賀に越して来て間もないころに、滋賀県民への道としてフナ寿しにトライ。
ドリアンがダメな私はやっぱりそのフナ寿しの香りになじめず。
それ以来、箸をつけることができませんでした。
が、前回、朽木で食べた「鯖のなれ寿し」も美味しかったし、今日の宮城さんとこのウグイのなれ寿しも、すっごく口に合って、残った分は全部お持ち帰りさせていただきました~
この分だと、フナ寿しに再トライできるかなぁ。 交流会で、こんぜ清流米についてお話を伺いました。
ここの土地は水、土がよく、寒暖の差があり、美味しいお米ができることから、「清流米」としてブランド化して広めたいというお話でした。
消費者の方からは「だからといって、清流米がどこで買えるのかも分からず、販売も秋口のほんのわずかな間で限定数だけ売るという形では応援の仕様がない」というお声でした。
農産物がお天道様に左右される限り、工業製品のように数量を予定したり、保障できないジレンマがあります。加えて、獣害の被害も大きく、前もって沢山の予約を受けたくても受けることができないのです。
一方、栗東のすぐ近くの集落でお米を作っている方は、「同じ地域で、同じ山の水を使っているのに、なぜうちの田圃の米は「清流米」のブランドから外されるのか理解できない。」というご意見。
「一部の少数の農家だけが固まってブランドが成立するのか、もっと大きな枠組みで考える必要があるのではないか」
今日配られた中に「ご飯にも添加物。古米もたちまち新米に」という資料がありました。
安い古米に添加物を加え、ふっくらツヤツヤな香りのよい新米に炊きあげて外食産業に使われているそうです。
「おいしいお米」なら、それで手に入る。
そんなのに騙されるな、と言っても、見分けがつかないよう上手に欺く技術のほうが上手。
こんぜ清流米が安心で、安全で、美味しい米というブランドにしたければ「金勝(こんぜ)」という土地や作る農家さんを一緒に売り込んでほしいなぁ。
それにはたった数件の農家さんたちが寄りあうよりは、もっと異なった業種や地域の人たちも含めた独自の面白い広め方があると思います。
そして、栗東の里山の風景はそれができる可能性が沢山沢山あると思います。
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コメント
こんにちは~。暑いですね。
走井、僕も行きたかったなぁ。
ステキなブログの報告を読んでいて
そう感じました。
次回、あればお邪魔させてもらおうっと。
ではでは、今週末もよろしくお願いします♪
投稿: ねぎ | 2008年8月 7日 (木) 16:34
ねぎさん、稲刈りもありますよ~!
たぶん、秋の援農隊も追加募集されるんじゃないかなぁ~、ぜひ行って栗東の秘境(?)を楽しんでくださいまし。
投稿: どらここ | 2008年8月 8日 (金) 11:59