水の架け橋ー日韓こども水辺交流会@日野
2008年8月23日(土)
ある時、京都在住の外国人留学生からメールをもらいました。
「歴史が好きで滋賀によく遊びに行くのですが。。。」
「なんとなく、表面だけを素通りしているカンジで、中に入って行けない気がするのです」というお悩みでした。
美しい風景をサラリとなぞり、「きれいだなぁ」と思うだけで何故か満たされない滋賀。
私が思うに、人との触れ合いが無いからじゃないでしょうか。
車で走っても、触れ合いがどーのと言う前に、道を聞くのにも道行く人がいない。家もない。
でも野生動物飛び出し注意。
滋賀を楽しく旅するのに一人旅もいいけれど、エコツアーとか交流ツアーとか、団体の旅はいかがですか。
ナビゲートしてくれる人がいると田舎の旅は楽しい。
有名どころじゃなくても素敵な田舎がいっぱいあるのです。
中に入ると滋賀は驚きがいっぱい。
滋賀の人は「なんでそんなもんが珍しいん?」てなもんですが。
今週は蒲生野考現倶楽部さんという日野を拠点とされているNPO団体の日韓こども水辺交流会に半日参加してきました。
私が主宰する韓国語サークルの生徒さん達に実際に韓国語で交流する機会を地元の滋賀で持てないか、と、あちこち問い合わせたりして参加させてください、と、お願いしています。
今回のツアーは日韓の小、中学生が一週間の前半を韓国で、後半を滋賀で過ごす旅。
私たちは後半、23日の日野の鎌掛(かいがけ)のしゃくなげ学校で行われる交流と、地域の地蔵盆に参加する事になりました。
→韓国語サークルのレポートデス。
鎌掛といえば、去年、「日野菜シンポジウム」というのに参加しましたが、地域の方達とそんなに語り合う機会があったワケじゃない。通りすがりだった集落の「中に入っていく」体験ができるでしょうか。
鎌掛の集落のあちこちのお地蔵さんの祠には地元の子供達が集まり、地蔵盆の準備をしていました。
ちょっと迷って到着した「しゃくなげ学校」は廃校になった鎌掛小学校を利用した蒲生野考現倶楽部さんの本拠地です。(...ってことでいいのかな?)
→しゃくなげ学校のステキな写真いっぱい
講堂で子供達とご対面。
えーと、誰が韓国人だか日本人だか判りません。(A;´・ω・)アセアセ
子供達はお互いコドバは通じないのですが、それでもキャーキャー言いながら走り回ったりしています。
日本に到着後すぐ滋賀へ。嘉田知事と対面し、高島の針江地区を訪れ、ホームステイをしたそうです。
私たちも去年の「農と食のコーディネーター養成講座」でお世話になった所です。
家の敷地に川端(かばた)があって、洗い物や野菜や果物を冷やしたり。水の中には鯉が泳ぎ、食べ物の残りカスを食べてくれる自然と共存した暮らしがあります。
「ものすごく感動したわ〜」と韓国人のお母さん。
「オジゾウサンって何?」「ジゾウボンって何?」と、色々質問されました。
えーと、ええーと、私もこの日、初めての地蔵盆なんです。。。とは言えませんでしたけど。。
私の生まれ育った地域にはお地蔵さんも地蔵盆もありませんでした。
早速、みんなで地蔵盆の行灯作り。
子供達が日本や韓国の国旗や「アイシテル」なんて言葉など、色々描いている中に、誰が書いたか妻へのぼやき川柳の行灯が3つも。
昼間、そして夜、地蔵盆の鎌掛を歩きました。
しゃくなげ学校になっている元鎌掛小学校の木造校舎の雰囲気がそのまま集落には今にも残る集落。
広い道路に狭い路地。夜になってもそこら中明るくする様な街灯はあまりありません。
少し集落を外れると吸い込まれそうな森の暗闇に道は続いていたりします。
日頃は街灯以外は真っ暗闇に包まれている事でしょう。
今日は地蔵盆の提灯の灯りが暗闇に浮かんで幻想的に誘います。
あの世とこの世が隣り合わせであるからこそ道ばたには子供を守るお地蔵さんがあり、この世を守ってくれる者の里帰りを迎える地蔵盆がある。
そんな土俗的な空気を感じられる所は今ではそう多くないのではないでしょうか。
ところで、地蔵盆の執り行われる地域の範囲はどの辺りなのでしょう。
滋賀の人に聞いても昔からあるところとないところがあります。
京都の加藤わこさんのブログにも地蔵盆のレンタル地蔵さんの話が載ってました。
静岡出身の人は「滋賀に来て初めて知った」と言っていました。
こうして、改めて外国の人に聞かれると知らない地元、知らない日本がまだまだあると気づかされます。
暗闇の集落を提灯の明かりに向かって歩きます。
お地蔵さんの所にスタンプがあって、出発の時に配られたウチワに4つ以上押して来るスタンプラリー。韓国の子供たちも大はりきり。
「スタンプ、クダサイ!」と元気よくお願いすると、集落の人たちも「おお~、韓国から来たんか~」と、暖かく迎えてくれました。
韓国人のお母さんたちは「どうぞ、お元気で」と、お年寄りに声をかけ、
子供たちは「日本の人って親切だね」とスキップ。
「それはね、平和な世の中だからだよ。戦争してたらこんな風には出来ないよね。だから平和って大切なんだよ」
と、言ったら、「あはは、そりゃそうだ。」と笑いました。
彼も10年もしたら韓国で兵役に就く事でしょう。
日本がどことも戦争をしない事を、今日のこの日、日野で楽しそうにはしゃぎ廻る彼らがどこにも派兵されずに除隊する事を願ってやみません。
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