自給自足のジレンマ
「今ごろそんな事言ってんのか」と、お叱りを受けそうですが、お叱りいただくのならその前に、最近心に浮かんで消しようもないこのジレンマに誰かお答え頂きたい。
最近も相変わらず県内で開催される色んな所の交流会やシンポジウムに行ってます。
滋賀県の地域性を活かして色んな事をしようという動きは多々あります。
ただ、最近思うのは
「内向き過ぎてんじゃないの?」
いつも「あ~、今日も楽しい集まりでよかったね~」で、予定調和で満足している気がします。
そこを「あ!」と思わせてくれたのが先月「雑穀の会」で針江を訪れた時にお話下さった「お米の勉強会」の村上日南子さんです。
就農を希望する若い人に農地と家を紹介し
「こうすればこれだけの規模で収入を得られる農業ができるよ」
というアドバイスをしても、その若い人たちがあまり興味を持たない。
彼らの「農業」は「自給自足できればいい」貧乏しても安全で安心な食を自分たちだけが食べる事を目指している。
これでは都市の住民として食料をゆだねる事が出来ない、、、そういうお話でした。
自給自足ってなんだろう。
他の交流会で、そのジレンマは更に深くなりました。
「もっと人々が自分で作物を作れば農に対する関心は広まる」というコンセプトで活動されている団体の方のお話。
でも、この調子でいけば自分の畑に大根があればスーパーにある大根に関心なんか向かなくなるんじゃないの?と思ったのでした。
自給自足ってどの範囲を指すのだろう?(個人の?地域の?県の?国の?)
食糧自給率を上げるってどの範囲の自給率を言うのだろう?(個人の?地域の?県の?国の?)
地産地消の「地」ってどこまでを指すのだろう?(湖北に岐阜や福井産が入ると地産と言わないの?)
そこは立場によってもしかして全くかみ合っていないままじゃないだろうか?
時に、自給自足否定論者、自給率無意味論者のような人たちとも議論してみる必要があるんじゃないか、と最近思います。
食のビジネスは益々グローバルになっていく。
時によいものを安く、時にえげつないものが最も身近に与えられていくような時代に、
私らは「滋賀」だけを向いていてそれでいいのだろうか?
地元の物を食べよう!と言いながら実際は県外や国外の食べ物を食べないわけにはいかない。
何を拒否して何を受け入れるのかはもっともっと広い視野をで考えないと、井の中の蛙なだけになってしまうのじゃないかという恐れを最近抱いています。
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