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2009年4月 9日 (木)

近江牛を語る

Cimg2477ちょっと前の話になりますが、 県内の近江牛の生産者、小売り業者さん達との交流会に出席しました。
いいのでしょうか。
近江牛について語り合うってのに私、近江牛食べた事ないんです。
試しに周りの滋賀県民に聞いてみたところ近江牛は自分では食べないが、贈答用には喜ばれる、とのこと。
私の知る近江牛の情報といえば「値段がお高い」ということのみ。

十ン年前、初めて沖縄を旅した時、小さな食堂でビーフカツレツ定食を食べました。セットでたしか400円台。
更に、「平和の礎」の近くのレストランで食べたビーフステーキはまさにジャイアント馬場のワラジのようなサイズで分厚く、しかし、値段はライスとスープなどセットで1600円。
「やっすぅー」!!

その夢のようなステーキの値段は米軍基地を置く沖縄への輸入牛肉免税という特典だと聞きました。
複雑な気持ち。
とはいえ、そこで初めてアメリカと日本の牛肉の値段の違いを実感したのでした。

今回の近江牛の生産者、小売業者さん達は見るからに「近江牛極めてこの道ン十年」?といった重鎮のオジサマ達がずらり。それと、県庁の方とJAの直売所&食育レストラン「おうみんち」の方。


あぁ、もう、最初っから言っちまおう。
「私、近江牛の味、知らないんですよー。」

幸い、というか、さすがにというか、共に消費者として参加したスーパーバイザーの成田さんが、こだわり滋賀ネットワークがどんな団体であるか、そして故郷の鹿児島の酪農の状況やお肉の質、近江牛の感想など様々について朗らかに語って下さり、固かった専門家の集まりの空気が和む。

「近江牛ってどういうお肉なんですか?」
「えーと…」
いまさら、な、基本的な質問にちょっとオジサマ達はとまどったのかも知れない。

色んなお話を聞いたのですが、一番インパクトあったのは「近江牛の脂は融点が低い」他の牛肉よりとろける、ってお話。
そのとろけるお肉は確かに値段が高い。
滋賀県は今もあちらこちらで住宅地が造成され、駅前にはマンションが林立する。
人口が増えるにつれて、臭いのかなり強い牛舎は増やすどころか今の規模の維持さえ難しくなってきているそうです。
近江八幡では大中(ダイナカ)の牛の臭いが近江八幡の駅にも十分届くぐらいだそうですから。
他府県のブランド牛にも価格で勝負できないのは小規模でやらざるを得ないコスト高経営だから。
それでも近江牛の文化を次世代に繋いでいきたいという近江牛関係者の皆さん。

お肉の情報はお肉屋さんにある。
けれど、今やスーパーでパック詰めされたお肉の中から選ぶだけになってしまった。
お肉屋さんは嘆く。
お客さんとどう向き合っていけばいいのか。
入ってきたお客さんに話しかけても無言でショーケースの肉を見回しただけで出て行ってしまう事もあった。
お肉屋さんは新鮮さにこだわっていた。
「うちは、注文されてから肉を切るんですよ」
だからショーケースにはそんなにお肉は出さない。
お肉屋さんとコミュニケーションを上手にとれば、高いどころか安上がりになる事だってある。

でも、私には無言のお客さんの気持ちも分かる。
何も知識もないのにお肉屋さんと差し向かいで話すのは緊張する。
そして面倒くさくないスーパーに行ってしまう。
滋賀県内ではお肉屋さんをあちこちに見かける。
けれど、目的もなくてはちょっと立ち寄り難い。

Cimg6622途中、休憩の間に参加者のお一人が「うちで作った」と、紙の袋に干し柿を2つ入れたのを配ってくれました。
きれいに白い粉をかぶった美しい干し柿はそれはそれは美味しかった。
私たちが感動する「滋賀」はこういう所なのです。
当たり前で、なんでもない「古くさい」事。
日常を丁寧に暮らしている事がこの干し柿から見えるのです。
私と成田さんは二人で「こういう所がいい所なんですよ!」と力説しました。
たとえば京都のような雅びな華やかさは滋賀には少ないけれど、
滋賀の地道で職人気質な実直さや謙虚さはそれに負けないくらい美しさを沢山持っている。
ただ、滋賀の人にとっては空気のような事であり、その価値は時々見捨てられている。
もったいない、と思う事がある。

近江牛の話を色々聞いて、消費者ともっと関わる機会があれば双方どちらにとっても新鮮な経験になると思いました。
今回、業者の方もきっと「え?こんな事が?」と思うような些細な事に私たちが驚いたり、感心したりしてたのは意外だと思われたのではないでしょうか?
「こだわり滋賀ネットワーク」として十分貢献できる所でもあります。

近江牛の将来のビジョンを、という質問に対する答えは曖昧で、何も見えなかったのですが、
業者の方のみにその答えを求めるものではないのだろうと思いました。

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