「トークライヴcafe 2009」 ご報告
先日開催されました「トークライヴcafe 2009」に参加させて頂きました。
宮内建築の4代目棟梁である宮内寿和さんが「大工が語る山の問題」というテーマでお話してくださいました。
宮内棟梁は、滋賀県の木を使って木の家を建てておられ、建築の世界での「地産地消」を実践されている素晴らしい方です
今、日本の森は大変荒れています。戦後の政府の方針で、たくさんの杉やひのきが植林されましたが、全然手入れが行き届かないので、太陽の光が差し込まない、暗い不健康な山が大変多くなってしまったそうです。
木は、太陽の光を求めて上に植えに伸びるので、細くひ弱な木が密集したような土地が多くなってしまいました。強い風がふくと倒れたり、山の岩や土を支える力がないので土砂災害を引き起こしてしまうなど、深刻な問題が起きています。
そんな中、近くの山から伐ってきた木で家を建てることは、さまざまな面で無理がなく、良い循環が生まれるのだというお話でした。
ということで、地元の木で木の家を建てるといいことをまとめてみました!
☆近くに生えている木で家をたてると、風土に合っているので長持ちがするそうです。例えば、ロシアなどの寒い地方の木を使って家を建てると、シロアリにすぐ食われてしまうのだとか。というのも、ロシアには寒すぎて、シロアリがいないから、シロアリに対する耐性がないのですね・・・。シロアリなどにやられないように輸入材には、たくさんの防虫剤が振り掛けられます。その結果、新築の家に住んで体調を崩す人もい多いと聞きます・・・。
☆適度に木が伐られることで、山には太陽の光が差し込み豊かな山になる。
☆木がしっかりと成長することで、雨が降っても岩や土がしっかりと抑えられるので土砂災害などが防げる。
☆山が豊かだと、山のミネラルが湖に注ぎ込み、魚が元気になる!
☆若い木は、古い木に比べて二酸化炭素をどんどん吸収してくれるので、木の世界での世代交代がスムーズに行くと温暖化の防止になる。
☆木の家は長持ちする!しかも、土に返るのでごみがでない。
☆大工さんの素晴らしい伝統の技が伝えられる!
☆他国に山に手を出さないことで、地球全体の環境の悪化が防げる。
また、とてもステキだと感じたのは、宮内建築さんの家の建て方です。必ず、お施主さんを山に連れて行って「生の木」が伐られる瞬間をご自分の目で見てもらうそうです。
そうすることで「あぁ、自分は木の命を頂いているんだなぁ。」と実感できるし、家を大切にしようという意識が高まるそうです。
それに、まず、その木をお客様に購入していただくことで、在庫のリスクが減らせるという利点もあるそうです。
そして、伐った木は水中乾燥と言って、大きな池の中に丸1年も寝かせるそうです。こうすることで、木の割れや曲がりを防げるのだそうです。池から引き上げて、丸太の状態で半年、材木に加工した状態でさらに半年寝かせるという工程を経て、1年かけて家が建てられるそうです。
お願いしてから実際に住めるようになるまで、3年
でも、日本の四季を感じて、自分の家の計画を建てられるので、かえって良いそうです。また、待っている間にお金もけっこうたまるのだとか・・・
長持ちのする体や環境に優しい家に住めるのですから、3年待つ甲斐もありますね!
ゆっくりのリズムは人にも山にも良いみたいですね
経験に基づいた胸を打つお話でした!
写真は宮内棟梁です。
この日は、第一期の農と食コーディネーターさん達の心づくしのお料理やおやつが振舞われました。
その他にも、エコなお土産をご用意して下さっていたり・・・。
本当に心のこもったイベントになりました。
トークライヴカフェに参加して下さった小関さんからも、原稿とお写真が届いています
また、ここでご紹介できなかったお写真などもアップさせて頂く予定ですので、お待ちください。
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