カテゴリー「2009年 セミナー・イベント報告」の記事

2009年12月17日 (木)

湖南農業後継者クラブの皆さんとの交流会がありました。

12月14日は、湖南農業後継者クラブの方々と農と食コーディネーター養成講座のメンバーとの交流会がありました今年で7回目の交流会。みんなで「地のもん」を食べて、意見交換会をするという会です。

交流会の初めには、滋賀県農業経営課の板倉 成子氏から、滋賀県における地産地消の取り組みや実践事例なども教えて頂き、知識を深めることができました。

後継者クラブの皆さんは、朝早くからさまざまな準備をして下さいました。

本当に感謝です

後継者クラブの皆さんは、草津、栗東、守山、野洲でお米やお野菜、果物などを作って下さっています。

(滋賀県のお野菜の40パーセントを滋賀南部の生産者の方々が作って下さっているのだそうです。)

この日は、合鴨農法で夏の間田んぼの草を食べてくれていた鴨のお肉と白菜、ネギ、春菊を生産者の方々がご準備くださり、鴨鍋をかこみながらのなごやかな交流会となりました

ご飯は、こしひかり、きぬひかり、日本晴れ、秋の詩と4種類をそれぞれ違う炊飯器で炊いてくださり、銘柄当てなどもありました

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生産者の方々は、後継者というだけあって、若い方がたくさん出席されていました。定期的に集まったり、研修旅行に行かれたりと、横のつながりができていて、楽しそうな雰囲気

ふだんは個人個人でお仕事されていても、定期的に集まれるメンバーがいるというのは頼もしいことだなぁと思いました。

印象的だったのは、とてもお元気な方が多いということです。

お米を作っても助成金が出ないと赤字になる・・・、お野菜も安くでしか売れない・・・などの深刻な現状をお聞きすると、「う~ん・・・。」と考えさせられますが、それでも、やっぱりとてもお元気で健康的な方々が多いなぁと感じました。

体を使って、土のエネルギーをいっぱい受けながら、日々お仕事に励んでおられるのがいいんじゃないかなぁ・・・

知り合いの畑仕事をされている方は90代でも筋骨隆々しっかりとお元気な方が多いように思います。

私の隣に座って下さった方は、以前はサラリーマンをされていて、おうちの跡を継がれ、今はお米を作っておられるとおっしゃっていました。

「仕事に関しては、ストレスゼロですね。」とさらりとおっしゃったのにはびっくり

これぞ、本来あるべき姿

また、「私のまわりで若くても農業に興味のある人はけっこういます。」ということをお話すると、「忙しい時期に手伝いに来てくれたら、助かります。現場を見てもらうことで、野菜の値段がこんなんでいいのかというようなことも考えるきっかけになってもらえれば・・・。お礼に収穫物を持って帰ってもらったらいいですし。」と言って下さいました

農業のお手伝いし、お金ではなく収穫物を少し分けていただく・・・。

そういう農業体験の仕組みができたら、一般の方が農家の現状を知るきっかけにもなるし、現場も活性化するし、いいなぁと思いました。

また、とても深刻な問題としてお嫁さん不足というお声が方々から聞かれました。

スーパーバイザーの成田さんによると、お嫁さんを貰うと仕事もぐーんと楽しくなるそうで、とても大きなテーマなんだとのお話でした

このような問題も農作業に一日だけでも気軽に参加できるような体制ができあがると、良いご縁が生まれるのかもしれませんね

交流会に初めて参加させていただいたのですが、やっぱり実際にお話を伺うということで、想像していたこととは違うお話がたくさん聞けました。

人と人とが出会う、話す、考える・・・。そして、動く。

そういうことがとても大切だと感じました。

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2009年12月 8日 (火)

「トークライヴ cafe 2009」 ~小関さんより~

近江八幡にある酒蔵工房のオーナー小関皆乎さんから先日の「トークライヴ カフェ 2009」のご感想が届きました!

                   

 121日(火)琵琶湖博物館 屋外展示内 生活実験工房『 囲炉裏ばた 』で、トークライブCafeが開催されました。

こだわり滋賀ネットワークの農と食とコーディネター養成講座の1期生有志の皆さま「こだしが舎」の企画です。

 スペシャルゲストに宮内建築の大工棟梁の宮内寿和さんをお迎えして「大工が語る山の問題」というテーマでお話をして下さいした。「建物は建物の窓から見える山の木を使う」というお話が感動的でした。宮内棟梁が「情熱大陸」に出演されたときの番組放映も拝見しました。

 ゲストには滋賀県農業経営課農産ブランド推進室の森 真理さん、ベジタブルロード事務局長の本江 宗明さん、成安造形大学の非常勤講師の蔭山 歩さん&参加者による座談会が行われました。梅干ざるに山盛りの郷土の手作りおやつが回され圧巻でした。そば粉・小豆・砂糖・小麦粉を混ぜて焼き・芥子粒or胡麻?をまぶし、渦巻き状にスライスされたおかしや餡もちが素朴でとても美味しいでした。四角いドーナツも凄く美味しいでした!

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 会場では、おくどさんでつくるお昼ごはん(雑穀ごはん・こだわり冬野菜たっぷり味噌汁・お豆腐・ごぼうの煮物・お浸し・えび豆・和風サラダ・酢の物・お漬物・郷土のおやつ)を準備してもてなして下さった、1期生の先輩(私は3期生)のおもいに胸がいっぱいになりました(もちろんお腹もいっぱいになりました)。

 

 マイおはし・マイカップ・マイ茶碗・マイお椀を持参するのが私たちのルールです。民具の研究者の琵琶湖博物館・中藤学芸員さんがてきぱきとお世話下さる姿が印象的出来でした。多彩な活動をされている皆さまとの交流や協働の可能性もいっぱいの集まりとなりました。本物を知る機会にお誘いくださったスーパーバイザーの成田賀寿子さんに感謝!参加することに意義ありと思うことの多いこの頃です。

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2009年12月 7日 (月)

「トークライヴcafe 2009」 ご報告

先日開催されました「トークライヴcafe 2009」に参加させて頂きました。

宮内建築の4代目棟梁である宮内寿和さんが「大工が語る山の問題」というテーマでお話してくださいました。

宮内棟梁は、滋賀県の木を使って木の家を建てておられ、建築の世界での「地産地消」を実践されている素晴らしい方です

今、日本の森は大変荒れています。戦後の政府の方針で、たくさんの杉やひのきが植林されましたが、全然手入れが行き届かないので、太陽の光が差し込まない、暗い不健康な山が大変多くなってしまったそうです。

木は、太陽の光を求めて上に植えに伸びるので、細くひ弱な木が密集したような土地が多くなってしまいました。強い風がふくと倒れたり、山の岩や土を支える力がないので土砂災害を引き起こしてしまうなど、深刻な問題が起きています。

そんな中、近くの山から伐ってきた木で家を建てることは、さまざまな面で無理がなく、良い循環が生まれるのだというお話でした。

ということで、地元の木で木の家を建てるといいことをまとめてみました!

☆近くに生えている木で家をたてると、風土に合っているので長持ちがするそうです。例えば、ロシアなどの寒い地方の木を使って家を建てると、シロアリにすぐ食われてしまうのだとか。というのも、ロシアには寒すぎて、シロアリがいないから、シロアリに対する耐性がないのですね・・・。シロアリなどにやられないように輸入材には、たくさんの防虫剤が振り掛けられます。その結果、新築の家に住んで体調を崩す人もい多いと聞きます・・・。

☆適度に木が伐られることで、山には太陽の光が差し込み豊かな山になる。

☆木がしっかりと成長することで、雨が降っても岩や土がしっかりと抑えられるので土砂災害などが防げる。

☆山が豊かだと、山のミネラルが湖に注ぎ込み、魚が元気になる!

☆若い木は、古い木に比べて二酸化炭素をどんどん吸収してくれるので、木の世界での世代交代がスムーズに行くと温暖化の防止になる。

☆木の家は長持ちする!しかも、土に返るのでごみがでない。

☆大工さんの素晴らしい伝統の技が伝えられる!

☆他国に山に手を出さないことで、地球全体の環境の悪化が防げる。

また、とてもステキだと感じたのは、宮内建築さんの家の建て方です。必ず、お施主さんを山に連れて行って「生の木」が伐られる瞬間をご自分の目で見てもらうそうです。

そうすることで「あぁ、自分は木の命を頂いているんだなぁ。」と実感できるし、家を大切にしようという意識が高まるそうです。

それに、まず、その木をお客様に購入していただくことで、在庫のリスクが減らせるという利点もあるそうです。

そして、伐った木は水中乾燥と言って、大きな池の中に丸1年も寝かせるそうです。こうすることで、木の割れや曲がりを防げるのだそうです。池から引き上げて、丸太の状態で半年、材木に加工した状態でさらに半年寝かせるという工程を経て、1年かけて家が建てられるそうです。

お願いしてから実際に住めるようになるまで、3年

でも、日本の四季を感じて、自分の家の計画を建てられるので、かえって良いそうです。また、待っている間にお金もけっこうたまるのだとか・・・

長持ちのする体や環境に優しい家に住めるのですから、3年待つ甲斐もありますね!

ゆっくりのリズムは人にも山にも良いみたいですね

Touryou

経験に基づいた胸を打つお話でした!

写真は宮内棟梁です。

この日は、第一期の農と食コーディネーターさん達の心づくしのお料理やおやつが振舞われました。

その他にも、エコなお土産をご用意して下さっていたり・・・。

本当に心のこもったイベントになりました。

トークライヴカフェに参加して下さった小関さんからも、原稿とお写真が届いています

また、ここでご紹介できなかったお写真などもアップさせて頂く予定ですので、お待ちください。

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