今月はほとんどブログを更新できませんでした。
それでも毎日沢山アクセスして下さるみなさま、ゴメンナサイ。
2月16日から9日間インドのコルカタ(旧名カルカッタ)に行って参りました。
マザーテレサの遺した施設でボランティアをするツアーです。
去年もこの旅に参加し、その後、「こだわり滋賀ネットワーク」での1年を過ごして再び参加した私自身、去年とは視点が変わったな、と思う旅でした。
ですから今回はこだわり滋賀ネットワークと直接は関連のないお話ですが、ご容赦いただけると幸いです。
飛行機は深夜に到着。
ホテルでは2時間弱の仮眠をとり、まだ暗い朝の5時50分に「マザーハウス」で毎朝執り行われるミサに参加します。部屋に入ったとたんにふわっと窓の外が明らみ始めコルカタの一日が始まりました。
部屋の一番後ろにマザーテレサの等身大の小さな小さな銅像があります。マザーテレサが亡くなって約10年。今でも毎日ミサで現世のシスターたちと一緒に祈りを捧げているかのように床に座り込んで祈り続けています。
驚いた事に、世界中から訪れるボランティアの中で一番数が多いのは日本人だそうです。
マザーテレサの原点である「死を待つ人の家」はとても有名ですが、その他にも孤児、障害児、ストリートチルドレン、身寄りのない病人、障害者の方々の為の沢山の施設があります。
私は「愛の贈り物」という意味の「プレムダン」という施設に行く登録をしました。
貧しくて医者にかかれない、障害がある人々が暮らしています。
その施設の周りも家とも言えない家が密集するスラム街です。
毎朝山盛りの山脈になってる洗濯物を全て手洗いで洗います。これだけでも初日は疲れ果てます。
それからお昼ご飯の配膳、片付け、患者さんたちをベッドに運びます。
毎日顔ぶれの変わるものの沢山の国からボランティアは来ます。
ほとんどの日本人は私たちを含めて1日から数日の参加なのに比べて、欧米の人たちは「1年働いたら1ヶ月の休暇がもらえる」と長期の人が多いのです。
どの施設でも朝の10時、午後の3時はティータイムならぬチャイタイムです。
大きなやかんに沸かしたチャイは毎日飲んでも飽きない美味しさです。
日本ではコーヒー党でもチャイの前ではコーヒーの香りさえ思い出しもしません。
大きなカンにどん、と入れてある固めのビスケットもひじょーに美味!
「日本に買って帰りたい。。」という人も。
加えて、プレムダンでは茹でたジャガイモ、ゆで卵なども日替わりで並んでいます。
ジャガイモは日本と何が違うのか、メークインでも男爵でもないような、でも、すっごくこれも美味しい。
思わず大きなじゃがいもの2つ目、3つ目に手を付けてしまいます。
こだわり滋賀ネットワークでの1年を通じて、今年はお野菜に目が向きました。
肉は、牛の形がそのままで店先にぶら下がっており、シッポなんか皮や毛がついたそのままです。
内臓専門の店では床の上の敷物にそのまま心臓だの肝臓だの大きな赤い塊がドスンと置かれて切り売りです。そんな日本人の衛生観念ではあり得ない仰天の光景に目は奪われがちです。
野菜もお肉も、生活の全ての物は露店かそれに近い状態で売られています。
道ばたにはじゃがいも、赤たまねぎ、きゅうり、トマト、三度豆、香草、ブロッコリー、キャベツ、など日本でもおなじみな野菜、そしてインドの食事に欠かせないレンズ豆などのカラフルなお豆さんも並びます。
写真を見て思うのは緑の野菜が多くて、それ以外の赤や黒、黄色なんかの野菜は少ないかな?
スーパーなどというものはインドにはまだ存在しないも同然です。
けれど、私がインドを訪れ始めた10年前に比べても食に対する安心感は断然高くなっています。
生水を飲まなければボロい食堂で食べても、目の前でミキサーで絞ってくれるフレッシュフルーツを飲んでもお腹を壊すことはほとんどありませんでした。
今年、ツアーのコーディネーターの方にお願いしました。
「もし、時間があれば田んぼや畑に行ってみたい。インドの農家さんに会ってみたい」。
滋賀の農家さんに韓国の農家のオカアチャンを紹介した時にお互いが「同志」のように思えたけれど、
インドの農家さんはどんなだろう?インドのお野菜はどうやって作られているのだろう?という事を見たかったのでした。
目には見えない農薬なんかはどんな使われ方をしてるのかな?
残念ながら、というか、幸運にもというか、今回はカルカッタ郊外のチッタガールにあるハンセン病患者さんたちの施設への見学ツアーが出る日に当たったのでそちらに行く事になり、農家ツアーは実現しませんでした。
カルカッタの街を電車で離れ30分程走ったチッタガールは道ばたには牛ふんがおせんべいの形に伸されて大量に乾かしてありました。燃料になり、壁材になり、肥料にもなる大切な牛のウンコ。
帰国して写真を見た人はみんな「遅れている生活水準の低いインド」の風景に驚いた声をあげました。
「あれ?」
おもろいやろー、日本と全然ちがうやろー?、と見せたら
「汚い」「私だったら耐えられない」「お腹壊さないの?」という反応。
「どらここさんだから大丈夫なのよ」
えーえー、私の家も汚うございますよ
中国の食品会社の衛生管理が問題になっていますが、宇宙服みたいな服を着て完全除菌した部屋で作られた食べ物をなお、農薬だ、劇薬だかの混入に怯えながら食べるというのもかなりヘンな光景ではないかと思います。
家で料理するおかんは宇宙服も着てないし、手も除菌したかも疑わしい。
もしやすると一度床に落とした物を「ばっちくない、ばっちくない」と言い聞かせて鍋に放り込んでたりして。
でも、実はそんな事では滅多に死ぬ事はない。
どういう事が安心安全な食べ物なのか。
インドでは日本での既成概念などひっくり返るほどの生きるたくましさに包まれてきました。